2015年5月31日日曜日

■必須微量元素とは!?

体重1kg当たり1mg以下、もしくは体内貯蔵量が鉄よりも少ない金属を微量元素としている。
微量元素は多くの生理作用に関与している。

微量元素


 

生体内含有量

生理作用

欠乏症

過剰症

(Fe)

45

酸素受容体

鉄欠乏性貧血

ヘモクロマトーゼ(血色素症)

亜鉛

(Zn)

2

糖・脂質・たんぱく質代謝

主症状:皮疹

随伴症状:口内炎、脱毛、腹部症状

銅欠乏、嘔吐

(Cu)

100150mg

造血作用

骨代謝

Menkes症候群

Wilson病

マンガン

(Mn)

1250mg

糖・脂質代謝

骨代謝

成長遅延

錐体外路系障害

モリブデン

(Mo)

1220mg

アミノ酸代謝

尿酸代謝

頻脈、多呼吸、夜盲症

痛風

ヨウ素()

1020mg

チロキシン(甲状腺ホルモン)の成分

クレチン病(小児)、甲状腺機能低下症(大人)

甲状腺機能亢進症

セレン

(Se)

525mg

抗酸化作用

解毒作用

筋肉痛、心筋症

皮膚炎

クロム

(Cr)

46mg

糖・脂質・たんぱく質代謝

耐糖能低下、末梢神経障害

肝・腎障害

コバルト

(Co)

1.1mg

ビタミンB12の構成成分

貧血

コバルト中毒



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2015年5月30日土曜日

■車の運転に影響を与える薬



薬効分類

運転の障害となる作用

薬剤名

消炎鎮痛剤

眠気、めまい、ふらつき感

インドメタシン等

疼痛治療剤

意識消失、傾眠

リリカ、トラムセット等

抗うつ剤

意識消失

デプロメール等

抗ヒスタミン剤

眠気

クロルフェニラミン等

鎮痙・鎮痛剤

視調節障害、眠気、めまい

ブスコパン等

散瞳点眼剤

散瞳、調節麻痺

ミドリンP、ミドリンM

睡眠薬・抗不安薬

翌朝以降にも残る眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下

ハルシオン、ロヒプノール等

抗てんかん薬

眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下

テグレトール等

抗ガン剤

アルコール含有製材(運転禁止)

タキソール等

抗パーキンソン病薬

前兆のない突発性睡眠、傾眠、注意力・集中力・反射機能などの低下、ふらつき、めまい、起立性低血圧

ビシフロール、レキップ、マドパー、ネオドパストン等

抗真菌薬

羞明、霧視、視覚障害

ボリコナゾール等

禁煙補助薬

めまい、傾眠、意識障害(意識レベルの低下・意識消失)

チャンピックス等

突発性睡眠:突然睡眠におちいる。
傾眠:軽い刺激で目を覚ますが、刺激しないとすぐに眠ってしまう状態。
意識消失:突然気を失う。
視調節障害:遠くを見る、近くを見るという調節がうまくいかない。
羞明(しゅうめい):光によって強く刺激を受け、正常な時よりまぶしく感じる。
霧視(むし):かすみ目



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2015年5月28日木曜日

■関節リウマチ(RA)の検査

▽血液検査



炎症反応

CRP

短期間の指標。

発症後612時間で増加。

回復後24時間内に減少。

正常:0.3mg/dl以下。

ESR

(赤血球沈降速度)

長期間の指標。

男:15mm以下は正常。

女:20mm以下は正常。

貧血

赤血球数、Ht、Hb

慢性炎症状態による鉄非利用性の貧血を起こしやすい。

免疫反応

リウマトイド因子

(RF)

免疫グロブリンIgGのFc部分に対する自己抗体。RA患者血清の7080%に認められる。RAの関節液内ではIgG-RFの産生が亢進しており、RFは免疫複合体を形成。補体を活性化し、組織障害を起こす。

RA・慢性感染症・慢性肝疾患でも陽性。

抗CCP抗体

RFと同様自己抗体の一つ。

RAに対する疾患特異性が90%以上。

MMP-3

滑膜や血清中にある蛋白分解酵素。関節軟骨破壊に関与するため上昇。変形性関節症や外傷性関節炎や痛風などでは上昇をみない。

抗核抗体

細胞の核に対してできる自己抗体。

RAで20%が陽性。

全身性エリテマトーデスで80%。

免疫複合体

関節液に見つかることが多い。

補体

正常値:3044/ml。

RAではあまり変化せず。

全身性エリテマトーデスでは低下。

 

β-Dグルカン

真菌の細胞壁に含まれる成分深在性真菌症の診断。

血清蛋白分画

蛋白質アルブミン

グロブリン

(α1、α2、β、γ)

RA:α2とγが増加。

炎症が慢性で活発な場合はγが増加。

 
▽関節液の検査
通常の関節液は黄色透明で、ムチンを多く含むため適度な粘りを有している。しかし、RAになると、関節液は白く濁る。またムチンが減少するため、粘り気が低下する。RAの場合、関節液中にも炎症反応を示す白血球の増加傾向、リウマチ因子、免疫複合体が発現する。

 
▽X線検査
診断の確定のほか、病気の進行、初期段階の関節の変化も発見できる。エックス写真の特徴は、関節裂隙の狭小化、手足の関節の変形(尺側偏位)、骨びらん、骨のう胞状陰影などである。2030%は一過性に発症し軽快するが、80%程度は進行性に経過する。変形性関節症でよく見ることがある骨棘、骨硬化はRAでは通常は見られない。



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■褥瘡治癒過程における栄養素と欠乏症




治癒過程

栄養素

欠乏症

炎症期

炭水化物

たんぱく質

白血球機能低下

炎症期の遷延

増殖期

たんぱく質・亜鉛

銅・ビタミンA・ビタミンC

線維芽細胞機能の低下

コラーゲン合成機能低下

成熟期

カルシウム

ビタミンA

亜鉛・ビタミンA

コラーゲン架橋結合不全

コラーゲン再構築不全

上皮形成不全



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2015年5月27日水曜日

■インスリン治療:BOT(Basal Supported Oral Therapy )とは!?

今、服用している飲み薬をそのままで続けながら『持効型』と呼ばれる効果が長く続くインスリンを1日1回だけ注射するインスリン治療法をBOT(Basal Supported Oral Therapy )といいます。
飲み薬と持効型インスリンの効果を合わせて血糖値を下げる方法です。
血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者さんでは、食後の高血糖だけでな空腹時の血糖値も上昇しています。このため空腹時高血糖が1日の血糖の推移を押し上げ、食後の血糖値が上昇する原因となっています。
持効型インスリンを補充して、空腹時の高血糖を改善することで、全体の血糖の推移が低下し、糖毒性(高血糖の状態によってインスリンの分泌が阻害されたり、インスリンの感受性が低下する状態)が改善され、本来の膵臓の機能が回復してくると食後高血糖の改善にも繋がります。

BOTとは、インスリンの追加分泌ではなく、基礎分泌を補うこと。



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