薬と薬の飲み合わせのことで、薬が効きすぎて副作用が出やすくなったり、逆に薬が効かなくなったりすることです。また、薬と薬だけでなく、薬と飲食物、嗜好品等でも、薬の作用が強くなったり弱くなったりすることもあります。
■薬×薬(吸収)
・テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン)
×制酸薬(マーロックス、アルサルミン)
→キレートを形成し、ミノマイシンが吸収されなくなるため、作用しなくなる。
■薬×薬(分布)
・抗血栓薬(ワルファリンカリウム)×消炎鎮痛剤(アスピリン)
→アスピリンが血液中のアルブミンと結合してしまうため、遊離型のワルファリンカリウムが増えてしまい、ワルファリンカリウムの抗血栓作用が強く出てしまう。
■薬×薬(代謝)
・気管支拡張薬(テオフィリン)
×マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)
→同じ薬物代謝酵素によって代謝される薬同士であるため、お互いの代謝を阻害し、血中濃度が上がり、テオフィリンの作用が強く出てしまう。
■薬×薬(排泄)
・血糖降下薬(クロルプロパミド)×尿酸降下薬(プロベネシド)
・血糖降下薬(クロルプロパミド)×消炎鎮痛剤(フェニルブタゾン)
・抗生物質(ペニシリン、セフェム系)
×尿酸降下薬(プロベネシド)
→フェニルブタゾン、プロベネシドにより尿中への排泄が阻害され、血中に長く留まることで、クロルプロパミド、抗生物質の作用が強く出てしまう。
■薬×飲食物(グレープフルーツジュース)
・免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)
・降圧剤(ニフェジピンなどのジヒドロピリジン系Ca拮抗剤)
・血管拡張剤(シルデナフィル)
・抗てんかん剤(カルバマゼピン)
・高脂血症治療薬(シンバスタチンなど)
・睡眠薬(ゾピクロン)
・麻酔薬(ミダゾラムなど)
→グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリンによって、
薬の代謝が抑制され、血中濃度が上昇することがある。
■薬×飲食物(納豆・青汁・クロレラ)
・抗血栓薬(ワルファリンカリウム)
→納豆・青汁・クロレラに含まれるビタミンKが、ワルファリンなどのビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗することにより、ワルファリンの抗凝固作用が抑制されることがある。
■薬×飲食物(アルコール)
・睡眠薬(トリアゾラム、ブロチゾラムなどのBZ系睡眠薬)
→薬の受容体との結合を促進し、睡眠作用を増強することがある。
・抗生物質(セフェム系)
・抗寄生虫薬(メトロニダゾール)
・血糖降下薬(インスリン、トルブタミド、グリベンクラミドなどのSU剤)
→顔面紅潮、嘔気などを起こすことがある。
■薬×飲食物(コーヒー、紅茶)
・気管支拡張薬(テオフィリンなど)
・抗精神病薬(クロザピン)
→カフェインによって薬の代謝が抑制され、血中濃度が上昇することがある。
・気分安定薬(炭酸リチウム)
→リチウムの腎排泄を促進し、血中濃度が低下することがある。
■薬×飲食物(牛乳)
・テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン)
→牛乳中のCaによって消化管からの吸収が低下し、作用が弱まることがある。
・乾癬治療薬(エトレチナート)
→脂溶性の薬であるため、牛乳の脂質によって吸収が促進されて血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。
・腸溶性製剤(ビサコジル、アスピリンなど)
→牛乳によって胃酸の酸性が弱まり、胃で溶解してしまい、腸での吸収が減弱、また、胃を刺激して吐き気を催すことがある。
■薬×嗜好品(煙草)
・気管支拡張薬(テオフィリン)
→テオフィリンの代謝が促進され、血中濃度が低下し作用が弱まることがある。
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2018年7月17日火曜日
■高齢者の多くはたくさんのくすりを飲んでいるため・・・
¢高齢者の多くは複数の病気にかかり、たくさんの薬を飲んでいます。そのため、薬と薬の相互作用がおこる可能性が高くなります。
¢2種類以上の薬を同時に使用した場合、薬と薬がお互いに影響しあって、薬の効果が変化することがあります。
¢また、同系統の2種類が重なれば
過量投与となります。
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¢2種類以上の薬を同時に使用した場合、薬と薬がお互いに影響しあって、薬の効果が変化することがあります。
¢また、同系統の2種類が重なれば
過量投与となります。
できるかぎり、現在服用中の薬の名前を医師に伝えたり、薬を見せて確認してもらうようにしましょう。
⇒お薬手帳を見せるのが有効です!!≪相互リンク≫
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2018年7月14日土曜日
■お酒(アルコール)が薬に及ぼす影響について教えて下さい。
¢日頃よくお酒を飲む人は、肝臓での薬物代謝能力が高まっているので、薬を飲むと肝臓で早く代謝され、効果が弱くなる可能性があります。
¢しかし、肝臓が弱っている場合は、肝臓の薬物代謝能力が低いために薬の効き目が強くなり、副作用が出やすくなります。
¢基本的に、アルコールで薬を飲むと薬の効果が強く出ることが多いです。
¢薬を飲んでいる間のお酒は、少量かお休みしましょう。
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■薬をお茶、ジュース、牛乳、アルカリイオン水で飲んでもよいですか!?
¢薬と一緒に飲むものとして無難なものは、「水」と「ぬるま湯」です。コップ一杯程度
¢最近では水なしで飲めるタイプの薬(OD錠)も増えてきています。
濃茶でなければ、普通の緑茶やウーロン茶程度なら問題ないと今では考えられている。
2.ジュース
ジュースの酸のために作用が弱くなる薬や、ある種の血圧の薬や血栓の薬など、一緒に飲
むと良くない薬が多種あることが分かってきました。
4.アルカリイオン水
pHが高いことによって、薬の溶解・吸収などに影響があるのではないか。
ミネラル分が多く含まれていることから相互作用があるのではないか。と気になることはあります。アルカリイオン水による服用は避けた方が良いでしょう。
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の水又ぬるま湯で服用して下さい。
¢薬が溶けて効果をあらわすためには、適切な量の水が必要です。また、カプセルは水な
しで飲むと食道にくっついて薬がとけ出し、食道の粘膜を痛めることがありますので注意
して下さい。
¢水分制限されている場合は、医師の指示に従ってください。¢最近では水なしで飲めるタイプの薬(OD錠)も増えてきています。
1 .お茶
かつて、鉄剤などと一緒に飲んではいけないとされていたお茶。濃茶でなければ、普通の緑茶やウーロン茶程度なら問題ないと今では考えられている。
2.ジュース
ジュースの酸のために作用が弱くなる薬や、ある種の血圧の薬や血栓の薬など、一緒に飲
むと良くない薬が多種あることが分かってきました。
3.牛乳と飲み合わせが悪い薬
牛乳はカルシウムを多く含みますので、影響が出る薬もあります。ある種の抗生物質では、腸管からの吸収が妨げられ作用が弱められます。 4.アルカリイオン水
pHが高いことによって、薬の溶解・吸収などに影響があるのではないか。
ミネラル分が多く含まれていることから相互作用があるのではないか。と気になることはあります。アルカリイオン水による服用は避けた方が良いでしょう。
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■睡眠薬の処方は増加傾向!?
厚生労働省研究班の調査によれば、睡眠薬の処方率は近年一貫して増加を続け、2009年の日本の一般成人における少なくとも3ヵ月に1回処方を受ける成人の割合は、4.8%に至っている。
⇒すなわち、睡眠薬は日本の成人の20人に1人が服用している薬である(約600万人)
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