2018年7月11日水曜日

■ナルコレプシーとは!?

¢ナルコレプシーは、過眠症のひとつです。通常ならば寝てはいけない重要な場面でも我慢できないほどの強い眠気に襲われたり、突然眠ったりすることが特徴です。病気であるにもかかわらず、大事な場面でも眠ってしまうことについて「だらしない」「意欲が足りない」「真面目にやっていない」などと思われ、本人や周囲が病気と認識しない場合が多くみられます。


¢日本では、600人に1人がナルコレプシーであるといわれています。発達(体や神経・精神の機能的な成熟)に伴い発症し、日本では1314歳が発症のピークであると報告されています。治療が遅れると社会生活に支障をきたす恐れがあるため、早期に診断されて治療を開始することが重要です

 
≪ナルコレプシーの4徴≫
睡眠発作:最も基本的な症状は日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じること。居眠りの持続は、10〜20分。

情動性脱力発作(カタプレキシー):発作的に起こる全身、または身体の一部に限局する筋緊張の低下あるいは消失する減少。持続は2〜3秒から数分以内であり、回復は速やか。発作中の患者の意識は清明である。情動の中で笑いが最もこの発作を引き起こしやすいが、驚愕、怒りなどでも起こる。

③睡眠麻痺:入眠時に生じる一過性の全身脱力症状。いわゆる金縛りのことである。持続は数分以内であり、患者はこの状態から自然回復する。


④入眠時幻覚:就寝後、間もなく、自覚的には目覚めているときに鮮明な現実感のある幻覚を体験する。

②、③、④の発現にはレム睡眠の機序が関与することから、レム睡眠関連症状という。

睡眠発作と情動性脱力発作の2症状が揃っていれば、臨床的にはナルコレプシーと診断

≪ナルコレプシーの治療≫
規則正しい生活を送り、睡眠不足を避ける。

≪ナルコレプシーの症状と治療薬≫
▽夜間睡眠の改善
➡超短時間作用型・短時間作用型睡眠薬(ゾルピデム・ゾピクロン・トリアゾラム・ブロチゾラムなど)

▽昼間の眠気と睡眠発作
➡中枢神経刺激薬(メチルフェニデート・ペモリン・モダフィニル)

▽レム睡眠関連症状(情動性脱力発作・睡眠麻痺・入眠時幻覚)
➡三環系抗うつ薬(クロミプラミン・イミプラミン:レム睡眠を抑制する)





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■睡眠時無呼吸症候群とは!?

¢睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です

¢Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」と
も言われます

¢医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止
まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30
回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸で

¢寝ている間の無呼吸に私たちはなかなか気付くことができない
ために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計
されています

¢この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きて
いるときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすこと。気付かない
うちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。



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2018年7月5日木曜日

■薬の相談窓口

●医薬品医療機器総合機構(03-3506-9411http://www.pmda.go.jp

●日本薬剤師会中央薬事情報(03-3406-9140)

各都道府県薬剤師会の薬相談窓口

●最寄りの消費生活センター、国民生活センター

●医薬品PLセンター(0120-876-532)

各製薬会社消費者相談窓口

<民間の医薬品監視機関>

●薬害オンブズパースン会議
http://www.yakugai.gr.jp/
●医薬ビジランスセンター
http://www.npojip.org/




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■タミフルの異常行動・言動の副作用について

インフルエンザ経過中の異常行動・言動は、タミフル投与との関連性が疑われるとして10代患者では慎重投与が求められており、現実には禁忌と認識されている。
これは、日本だけの措置である。
しかし、この異常行動・言動はインフルエンザ脳症そのものによる可能性が高い
タミフル投与の有無に関わらず異常行動・言動は見られるのであるから、保護者へはタミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である。
2009616日の厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策調査会報告では、2006年~2007年シーズンのインフルエンザ患者で、軽微なものを含めた異常行動・言動が発現した確率は、
タミフル投与群:11(840/7438)
タミフル非投与群:13(286/2228)
であった。
データ的には、タミフルは、異常行動・言動を優位に抑えたことになるが、調査自体が
患者背景を揃えておらず、厳密な比較試験ではないため、最終的な結論は得られていない。
どちらにせよ、タミフル投与の有無に拘らず異常行動・言動は見られるのであるから、患者の保護者へは、タミフル投与であってもなくても、また他の薬剤投与中であっても、発熱が続く間は厳重な観察が必要である旨を伝えるべきである。



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2018年7月4日水曜日

■軽度認知障害のチェックリスト

A群≫
□ものの名前が出て来なくなり、『あれ』『これ』を多用すようになった。
□置き忘れやしまい忘れが目立つようになった。
□ガス・水道の止め忘れ、電気の消し忘れが多くなった。
□同じものを重複して購入するようになった。
□以前より怒りっぽく、頑固になった。
 
B群≫
□以前からの趣味に興味を示さなくなった。
□慣れているはずの道で迷うようになった。
□本やテレビの内容を理解するのが難しくなった。
□テレビのリモコンなど使い慣れた道具がうまく使えなくなった。
□本人の話す内容と実際の出来事が大きく食い違うようになった。
 
[解説]
A群は健常者でもよくあることで、すべて当てはまっても軽度認知障害(MCI)ではありません。
B群は、本来のレベルより認知機能が低下しているおそれがあり、軽度認知障害(MCI)が疑われます。1つでも当てはまったら専門医を受診しましょう。




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