2017年11月16日木曜日

■ベルソムラ(スボレキサント)は、CYP3Aを阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等)との併用により、ベルソムラの血中濃度が上昇し、副作用が増強される可能性がある。

 ベルソムラ(スボレキサント)は、CYP3Aを阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等)との併用により、スボレキサントの血中濃度が上昇し、傾眠、疲労、入眠時麻痺、睡眠時随伴症、夢遊症等の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合は1110mgへの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
 
※参考:ベルソムラ錠の添付文書




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薬剤師の話
薬剤師のメモ帳
病院薬剤師日記

2017年11月15日水曜日

■散剤とは!?

『散』とは、散剤、つまり粉薬を指します。

散剤は、もとの薬に乳糖やデンプンを混ぜて薄めてあり、また薬によって混合するものの量が違っています。

ex)ムコダイン散50%、アスベリン散10%に設定されている場合、
ムコダイン散1g=ムコダイン0.5
アスベリン散0.4g=アスベリン0.04
となり、ムコダイン散で処方されても、ムコダインで処方されても、2つの処方箋の意味は、全く同じということになります。

処方箋をよく見て間違いないようにしなくてはなりません。

かつて使われていた『倍散』という言葉は『希釈した倍数』を表したもので、例えば10倍に薄めると『10倍散』、100倍に薄めると『100倍散』という表現が使われていました。

しかし、医療事故を防ぐためによりわかりやすくするという目的で、第十四改正日本薬局方の改正時に%表示が義務付けられ、現在では10倍に薄めたものは『10%』、100倍に薄めたものは『1%』に変更されています。



■抗NSAID潰瘍剤『サイトテック錠』の適正使用に関する案内:メモ

★メモ★
 

■抗NSAID潰瘍剤『サイトテック錠』の適正使用に関する案内

『サイトテック錠』は、「妊婦または妊娠している可能性のある婦人」への投与は、禁忌です。
「妊娠する可能性のある婦人」への投与も、原則禁忌です。

 昨今、『サイトテック錠』において分娩誘発などを目的に経口投与または膣内投与されるケースが国内外で報告されています。また、分娩後の子宮収縮、弛緩出血の止血などを目的に使用した報告もありますが、これらはいずれも適応外となります。

 さらに、妊娠に気づかず本剤が投与された場合、流産を起こし妊娠が継続できなくなるおそれがあります。
 以上より、本剤の投与に際しては、『禁忌』、『原則禁忌』をご確認の上、『効能・効果』、『用法・用量』以外でのご使用は避けていただきますよう、お願い致します。


☆サイトテック錠100・錠200安全対策リーフレット☆
『サイトテック錠』(ミソプロストール)は、プロスタグランジン誘導体であり、子宮収縮作用を有しています。
【効能・効果】非ステロイド性抗炎症剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
【用法・用量】通常、成人にはミソプロストールとして1200μgを14(毎食後及び就寝前)経口投
        与する。なお、年齢、症状において適宜増減する。

1.禁忌:『妊婦又は妊娠している可能性のある婦人』
 妊婦において本剤の投与により完全又は不完全流産及び子宮出血がみられたとの報告があります。そのため、本剤は、『妊婦又は妊娠している可能性のある婦人』に対しては禁忌としています。

2.原則禁忌:『妊娠する可能性のある婦人』

 妊娠に気づかず本剤が処方された場合、流産を起こしその妊娠が継続できなくなるおそれがあるため、本剤は『妊娠する可能性のある婦人』に対しては原則禁忌としています。

したがって、本剤は『妊婦又は妊娠している可能性のある婦人』に禁忌であるのはもちろん、他に治療法がなく、やむを得ない場合以外は、『妊娠する可能性のある婦人』にも投与されないようお願い致します。


また、他に治療がなく、やむを得ず本剤を『妊娠する可能性のある婦人』に投与される場合には、本剤投与前に必ず以下の点につき、ご留意ください。

1.投与開始前の妊娠の有無の確認
 投与開始前に必ず妊娠診断テストなどにより、妊娠中でないことを十分にご確認ください。

2.患者さんに対する服薬指導

 次の事項について患者さんに十分ご説明の上、患者さんの同意を得てください。
 ①この薬は子宮に対する収縮作用があり、妊娠中に飲むと出血を伴う流産を起こすおそれがあります。
 ②あなたが妊娠又は妊娠している可能性があるなら、この薬は服用できません。
 ③この薬を服用する場合は、妊娠しないよう服薬中は確実に避妊をしてください。
 ④この薬で治療中に妊娠が疑われた場合はこの薬の服用を直ちに中止し、すぐに主治医にそのことを伝
  え、適切な指示を受けてください。
 ⑤この薬をあなたの家族など他の人には絶対にあげないでください。

2017年11月14日火曜日

■医薬分業によるメリットとは!?

医薬分業の本来の主旨は、『外来の患者さんには院外処方を行い、入院患者さんには院内処方をしましょう。』という役割分担にありました。

近年になって医薬分業によるメリットやその重要性が認識され、国家的に推奨されるようになってきました。

外来で診療を受ける患者さんにとって、医薬分業の最大のメリットは、薬歴が管理されることです。

どの薬をいつどのくらい利用してきたかということが『お薬手帳』に記されることで、複数の病院から同じ種類の薬が重複処方されていないか、飲み合わせやアレルギーなどの問題がないかなどが管理できるようになりました。

また、薬剤師が調剤に関して全面的に担当することで、処方された薬についての情報を患者さんに詳しく説明したり、時間をかけて丁寧に服薬指導することができます。

病院の方のメリットとしては、外来患者さんのための薬剤在庫や調剤の必要がなくなり、そのためのコスト削減が実現しました。

また、診療所、クリニックなど薬剤師のいない病院では、かつては外来患者さんに対し、医師が調剤するのがふつうでしたが、医薬分業により調剤に時間を取られなくなったことで、患者さんにより手厚い医療を提供することができるようになりました。

院内処方より、院外処方を行う方が保険点数も若干高くなるという病院へのメリットも出されました。



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■VAC療法とは!?

 VAC療法とはKCI社の「V.A.C.ATS治療システム(VAC療法)」により難治性の傷を被覆材で密閉し、専用機器で吸引して陰圧状態を維持しながら創傷の治療を行う方法。2009年11月に厚生労働省から承認を受けて、2010年4月より保険診療で使用できるようになった。

 VAC:Vacuum Assisted Closure :陰圧補助閉鎖治療システム



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