一般に最も多く使用されるペニシリン系、セフェム系などのβラクタム剤は細菌特有の細胞壁の合成を阻害し、ヒトにはほとんど毒性がないという特徴をもっています。
そのため安全域が広く、血中濃度の増加に比例して副作用が増加することがほとんどないことから、血中濃度の測定を行いません。
しかし、バンコマイシンやアミノ配糖体(ゲンタシン、アルベカシンなど)を使用するときには、血中濃度を測定します。
これらの薬剤は血中濃度の高い状態(中毒域)が続くと腎障害や聴覚障害などの重篤な副作用をまねく可能性があります。逆に使用量が少なすぎると効果が得られず、血中濃度が低い状態(無効域)が続くとバンコマイシン耐性腸球菌などの耐性菌を出現させる可能性があります。そこで、副作用や耐性菌の出現を避けるために血中濃度を測定し、投与量や投与間隔を調整します。
≪バンコマイシン血中濃度測定の採血のタイミング≫
投与3日目以降の投与直前
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2015年7月23日木曜日
■透析患者へのタミフルカプセル(オセルタミビルリン酸塩)の投与方法
■透析患者へのタミフルカプセル(オセルタミビルリン酸塩)の投与方法
≪常用量≫
1回75mgを1日2回5日間経口投与
※インフルエンザウィルスは、症状発現の24時間前から急速に増加するため発症したらできるだけ早く(48時間以内)服用する。
※発症後48時間以上経過後に投与した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
※1日1回75mg服用することによってインフルエンザの感染を67~74%予防できる。
1回75mgを1回のみ投与するだけで5日間有効治療濃度を維持できる。
◆予防的投与◆
・HD患者は、初回75mgを投与後、2回のHD施行後に75mgを投与の計2回投与。
・CAPD患者は、初回75mg投与後、7日目に75mg投与の計2回投与。
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1回75mgを1日2回5日間経口投与
※インフルエンザウィルスは、症状発現の24時間前から急速に増加するため発症したらできるだけ早く(48時間以内)服用する。
※発症後48時間以上経過後に投与した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
※1日1回75mg服用することによってインフルエンザの感染を67~74%予防できる。
≪透析患者への投与方法≫
◆治療的投与◆1回75mgを1回のみ投与するだけで5日間有効治療濃度を維持できる。
◆予防的投与◆
・HD患者は、初回75mgを投与後、2回のHD施行後に75mgを投与の計2回投与。
・CAPD患者は、初回75mg投与後、7日目に75mg投与の計2回投与。
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■ナルコレプシーとは!?
≪ナルコレプシーの4徴≫
①睡眠発作:最も基本的な症状は日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じること。居眠りの持続は、10〜20分。
②情動性脱力発作(カタプレキシー):発作的に起こる全身、または身体の一部に限局する筋緊張の低下あるいは消失する減少。持続は2〜3秒から数分以内であり、回復は速やか。発作中の患者の意識は清明である。情動の中で笑いが最もこの発作を引き起こしやすいが、驚愕、怒りなどでも起こる。
③睡眠麻痺:入眠時に生じる一過性の全身脱力症状。いわゆる金縛りのことである。持続は数分以内であり、患者はこの状態から自然回復する。
④入眠時幻覚:就寝後、間もなく、自覚的には目覚めているときに鮮明な現実感のある幻覚を体験する。
②、③、④の発現にはレム睡眠の機序が関与することから、レム睡眠関連症状という。
睡眠発作と情動性脱力発作の2症状が揃っていれば、臨床的にはナルコレプシーと診断。
≪ナルコレプシーの治療≫
規則正しい生活を送り、睡眠不足を避ける。
≪ナルコレプシーの症状と治療薬≫
▽夜間睡眠の改善
➡超短時間作用型・短時間作用型睡眠薬(ゾルピデム・ゾピクロン・トリアゾラム・ブロチゾラムなど)
▽昼間の眠気と睡眠発作
➡中枢神経刺激薬(メチルフェニデート・ペモリン・モダフィニル)
▽レム睡眠関連症状(情動性脱力発作・睡眠麻痺・入眠時幻覚)
➡三環系抗うつ薬(クロミプラミン・イミプラミン:レム睡眠を抑制する)
①睡眠発作:最も基本的な症状は日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じること。居眠りの持続は、10〜20分。
②情動性脱力発作(カタプレキシー):発作的に起こる全身、または身体の一部に限局する筋緊張の低下あるいは消失する減少。持続は2〜3秒から数分以内であり、回復は速やか。発作中の患者の意識は清明である。情動の中で笑いが最もこの発作を引き起こしやすいが、驚愕、怒りなどでも起こる。
③睡眠麻痺:入眠時に生じる一過性の全身脱力症状。いわゆる金縛りのことである。持続は数分以内であり、患者はこの状態から自然回復する。
④入眠時幻覚:就寝後、間もなく、自覚的には目覚めているときに鮮明な現実感のある幻覚を体験する。
②、③、④の発現にはレム睡眠の機序が関与することから、レム睡眠関連症状という。
睡眠発作と情動性脱力発作の2症状が揃っていれば、臨床的にはナルコレプシーと診断。
≪ナルコレプシーの治療≫
規則正しい生活を送り、睡眠不足を避ける。
≪ナルコレプシーの症状と治療薬≫
▽夜間睡眠の改善
➡超短時間作用型・短時間作用型睡眠薬(ゾルピデム・ゾピクロン・トリアゾラム・ブロチゾラムなど)
▽昼間の眠気と睡眠発作
➡中枢神経刺激薬(メチルフェニデート・ペモリン・モダフィニル)
▽レム睡眠関連症状(情動性脱力発作・睡眠麻痺・入眠時幻覚)
➡三環系抗うつ薬(クロミプラミン・イミプラミン:レム睡眠を抑制する)
2015年7月22日水曜日
■床ずれの洗浄方法
《床ずれの洗浄方法》
①創の洗浄は、(できれば38℃程度に温めた)水道水などを使用します。創表面をガーゼなどでこすらずに流水の水圧を利用して、軟膏などの残留物を除去します。
②やわらかいガーゼなどを使用し、こすらず優しく押さえるように水分を拭き取ります。皮膚に水分が残っていると、創傷被覆材や固定テープの固着性が低下していまいます。
③創の状態を確認し、適切な創傷被覆材を選択して創を被覆します。
《床ずれ周囲の洗浄方法》
①低刺激性の弱酸性洗浄剤などを十分な水でよく泡立てます。
②泡立てた泡で、創周囲の皮膚をやさしくなでるように洗いましょう。ゴシゴシ洗って刺激を与えすぎると皮膚を損傷する危険があります。
③石けんを洗い流します。(できれば38℃程度に温めた)水道水を洗浄用ボトルなどに入れ、石けん成分が残らないように十分に洗い流しましょう。
《胃ろう周囲の漏れによる皮膚の赤み・ただれ予防のポイント》
①周囲を洗浄剤で洗う。
胃ろう周囲の皮膚は、肌にやさしい弱酸性石けんなどの洗浄剤を泡立ててやさしく洗ってください。洗った後は、タオルなどでやさしく水気を拭き取りましょう。
②常に清潔を心がける。
胃ろう部の汚れは、湿らせたガーゼや綿棒などでこまめに拭き取りましょう。
③撥水性クリームで皮膚を保護する。
洗浄した後は、胃ろうの周囲の皮膚に撥水性クリームを塗り、皮膚を保護しましょう。
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①創の洗浄は、(できれば38℃程度に温めた)水道水などを使用します。創表面をガーゼなどでこすらずに流水の水圧を利用して、軟膏などの残留物を除去します。
②やわらかいガーゼなどを使用し、こすらず優しく押さえるように水分を拭き取ります。皮膚に水分が残っていると、創傷被覆材や固定テープの固着性が低下していまいます。
③創の状態を確認し、適切な創傷被覆材を選択して創を被覆します。
《床ずれ周囲の洗浄方法》
①低刺激性の弱酸性洗浄剤などを十分な水でよく泡立てます。
②泡立てた泡で、創周囲の皮膚をやさしくなでるように洗いましょう。ゴシゴシ洗って刺激を与えすぎると皮膚を損傷する危険があります。
③石けんを洗い流します。(できれば38℃程度に温めた)水道水を洗浄用ボトルなどに入れ、石けん成分が残らないように十分に洗い流しましょう。
《胃ろう周囲の漏れによる皮膚の赤み・ただれ予防のポイント》
①周囲を洗浄剤で洗う。
胃ろう周囲の皮膚は、肌にやさしい弱酸性石けんなどの洗浄剤を泡立ててやさしく洗ってください。洗った後は、タオルなどでやさしく水気を拭き取りましょう。
②常に清潔を心がける。
胃ろう部の汚れは、湿らせたガーゼや綿棒などでこまめに拭き取りましょう。
③撥水性クリームで皮膚を保護する。
洗浄した後は、胃ろうの周囲の皮膚に撥水性クリームを塗り、皮膚を保護しましょう。
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■徐脈(Bradycardia)
徐脈(Bradycardia)とは、
拍動の遅れや伝導の障害により、脈拍が60回/分以下になった状態。
徐脈で緊急治療の対象となるのは、症候性があり、その原因があり徐脈の場合である。
患者の症候としては、胸痛・呼吸困難・意識障害・脱力・動作不耐・ふらつき感・失神などがあり、他覚症状としては低血圧・全身発汗・胸痛・肺水腫・うっ血性心不全・急性冠症候群などがある。
症候がある場合は、3度(完全)房室ブロックであっても洞性徐脈であっても対処は同じである。
3度(完全)房室ブロックおよび高度房室ブロックは、症候の有無に関わらず可及的にすみやかにペーシングを施行または考慮すべきであり、その識別は重要である。
特に状態が不安定な3度房室ブロックや高度房室ブロックに対してはすみやかに行う。
投与量は1回0.5mgとし、3〜5分間隔で総量3mgまで反復投与してよい。
アトロピンは、症候の原因となる徐脈に対して使用される薬剤では第一選択薬であるが、無効な場合は経皮ペーシングあるいはカテコラミンが適応となる。虚血性心疾患に伴う徐脈に対してアトロピンを使用する時は、身長かつ十分な注意を要する。アトロピン投与により、心拍出が急激かつ過剰に増加して心筋の酸素需要量が増え、その結果心筋虚血が増悪する可能性がある。
症候を認めないか、軽度であり状態が安定していれば、心電図で3度(完全)房室ブロックあるいは高度房室ブロックの有無を診断する。これらでなければ経過を観察する。
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拍動の遅れや伝導の障害により、脈拍が60回/分以下になった状態。
徐脈で緊急治療の対象となるのは、症候性があり、その原因があり徐脈の場合である。
患者の症候としては、胸痛・呼吸困難・意識障害・脱力・動作不耐・ふらつき感・失神などがあり、他覚症状としては低血圧・全身発汗・胸痛・肺水腫・うっ血性心不全・急性冠症候群などがある。
症候がある場合は、3度(完全)房室ブロックであっても洞性徐脈であっても対処は同じである。
3度(完全)房室ブロックおよび高度房室ブロックは、症候の有無に関わらず可及的にすみやかにペーシングを施行または考慮すべきであり、その識別は重要である。
➀症候性のある徐脈への対応
1.経皮ペーシング特に状態が不安定な3度房室ブロックや高度房室ブロックに対してはすみやかに行う。
2.アトロピン
経皮ペーシングの準備に時間を要する場合、まずアトロピンを徐脈内投与する。投与量は1回0.5mgとし、3〜5分間隔で総量3mgまで反復投与してよい。
アトロピンは、症候の原因となる徐脈に対して使用される薬剤では第一選択薬であるが、無効な場合は経皮ペーシングあるいはカテコラミンが適応となる。虚血性心疾患に伴う徐脈に対してアトロピンを使用する時は、身長かつ十分な注意を要する。アトロピン投与により、心拍出が急激かつ過剰に増加して心筋の酸素需要量が増え、その結果心筋虚血が増悪する可能性がある。
3.アドレナリンとドパミン
アトロピンが無効で経皮ペーシングを準備する間に、またはペーシングが無効な場合に、アドレナリン(2〜10μg/分)またはドパミン(2〜10μg/kg/分)の持続投与を考慮する。
4.経静脈ペーシング
経皮ペーシングやアトロピンなどは一時的な緊急治療であり、徐脈が持続する場合は経静脈ペーシングが必要である。また3度(完全)房室ブロックや高度房室ブロックでは、恒久ペースメーカーの植え込みが必要となることが多く、純循環器医にコンサルトする。
②症候のない徐脈への対応
1.心電図診断症候を認めないか、軽度であり状態が安定していれば、心電図で3度(完全)房室ブロックあるいは高度房室ブロックの有無を診断する。これらでなければ経過を観察する。
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