2019年8月13日火曜日

■Glucose-Insulin療法とは!?

GI療法とは、Glucose-Insulin療法のことです。
その名の通りグルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与します。

なぜ,この組み合わせで血清カリウム値を低下させることができるのでしょうか!?
それは,インスリンの働きによって細胞内へのK(カリウム)移行を促進させるからです。
インスリンは細胞膜のNa-K-ATPaseを活性化させます。
ブドウ糖が細胞内に取り込まれる際に,K(カリウム)も一緒に細胞内へ移動します。
この作用を利用して血清カリウム値を下げます。

インスリンだけ投与すると,当然,血中ブドウ糖濃度も低下してしまう(低血糖になってしまう)ために,予防的にブドウ糖を投与することとなります。

投与方法は、
・50%Glu50mL+インスリン10単位を静注
・50%Glu40mL+インスリン5単位を5~10分かけて点滴
・10%Glu500mL+インスリン10単位を30~60分で点滴
・50%Glu200mL+インスリン20単位を5~6時間かけて点滴
・5%Glu500mL or 10%Glu250mL+インスリン5~10単位を持続投与

だいたいブドウ糖2.5g~5gにインスリン1単位を基準にして考えてよさそうです。

投与速度や量は血糖値,K値を測定しながら調節します。
注意点としては,第一に低血糖に注意が必要です。
ほぼ全例で血糖が下がるので、血糖値チェックは必須です。

個人的な注意点としては速攻性が低いということも考慮しなければいけません。
高カリウム血症の補正に急を要する患者へは、別の治療法も考慮・検討していくことが必要だと思います。

2019年8月5日月曜日

■ベタニスとタンボコールは禁忌!!

 ベタニス(ミラベグロン)とタンボコール(フレカイニド)は禁忌です。

 ベタニスは、QT延長を起こすおそれがあることから、添付文書にも『不整脈を有する、あるいは不整脈を起こしや い状態の患者に投与する場合には、投与開始前に心電図検査等を行い患者の心血管系の状態に注意すること』との記載があります。加えて、ベタニスはCYP2D6を阻害する作用を持つため、同代謝酵素で代謝されるタンボコール(フレカイニド酢酸塩)の血中濃度が上昇するおそれがあるため併用禁忌となっています。