2018年8月2日木曜日

■睡眠薬の副作用と対処法

それでは、睡眠薬の副作用についてみていきましょう。睡眠薬のタイプによって、副作用にも違いがあります。

バルビツール酸系の睡眠薬は安全性が低いため、現在はほとんど使われなくなっています。メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬については、自然な眠気を強めるお薬です。効果に個人差があり、人によっては眠気が翌朝に残ってしまうことがあります。

ここでは、睡眠薬としておもに使われているベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用を中心にご説明していきたいと思います。

これらの睡眠薬では、作用時間によって注意すべき副作用が異なります。

作用時間が長い睡眠薬・・・眠気・ふらつき
作用時間が短い睡眠薬・・・健忘・依存性

作用時間が長いということは、薬が身体に少しずつたまっていくことにつながります。睡眠薬の眠気が翌朝に残ってしまったり、筋弛緩作用が日中に働いてしまうことがあります。

それに対して作用時間が短い睡眠薬は、薬が急激に作用するということになります。このため中途半端な覚醒状態となってしまって健忘(物忘れ)が認められたり、お薬の急激な変化に体が慣れようとしてしまうことで、依存が成立してしまうことがあります。




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■睡眠薬の副作用

どんな薬でも副作用が現れることがあるように、睡眠薬にも副作用があります。以下が代表的な例です。

① 持ち越し効果
睡眠薬の効果が翌朝以降も続き、すっきり起きることができない。

② 記憶障害
一時的に記憶が途切れたり、経験したことを忘れてしまったりする。作用時間の短い睡眠薬を大量に飲んだり、アルコールと一緒に飲んだりした場合に起こりやすい。

③ 早朝覚醒
朝早くに目が覚めてしまう。超短時間型や短時間型の睡眠薬は作用する時間が短いため、朝までに効果が途切れてしまいます。

④ 反跳(はんちょう)性不眠・退薬症候(たいやくしょうこう)
続けて飲んでいた睡眠薬を、突然中止したために不眠が起こる。作用時間の短い睡眠薬ほど起こりやすい。

⑤ 筋弛緩作用
身体に力が入りにくくなり、ふらつきや転倒の原因になる。作用時間の長い睡眠薬を飲んだ場合や、高齢者に起こりやすい。

⑥ 奇異反応
ちょっとしたことで興奮しやすくなり、攻撃的な行動をとったりする。超短時間型の睡眠薬とアルコールを一緒に飲むと起こりやすい。
 


副作用の可能性は頭に入れておく必要があるものの、最近の睡眠薬は安全性が高まっており、
正しく飲めばその心配も薄いといわれています。ただし、体質などによっては上記のような症状が出ることもあるので、もし症状が出た場合はすぐに医師に相談しましょう。





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