2014年5月23日金曜日

■GI療法(グルコース・インスリン療法)とは、

≪GI療法(グルコース・インスリン療法)とは!?≫
高カリウム血症の治療法である。
グルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与する。
インスリンは血中のグルコースを取り込んで血糖値を下げる。
この時にグルコースと血清中のカリウムは、くっついて細胞内に移動する。
この性質を利用してカリウム値を下げるというのが、GI療法です。
インスリンがブドウ糖を細胞内に取り込ませる際にカリウムを一緒に細胞内に移動させる作用を利用している。
インスリンのみを投与すると低血糖になるため、グルコースを補う。


≪GI療法(グルコース・インスリン療法)のやり方≫

▼血糖値300未満
50%ブドウ糖50mlにレギュラーインスリン10単位混注して静脈内投与
低血糖予防に10%ブドウ糖50ml 1時間で静脈内投与
血糖値を1時間ごとに測定、6時間までフォロー

▼血糖値300以上
レギュラーインスリン10単位静脈内投与
ブドウ糖追加投与は不要


②インスリンをブドウ糖34gに対し1単位(もし糖尿病があればブドウ糖2gに対し1単位)加えた2050%高張ブドウ糖液200300mlを、30分くらいで静脈内投与。


50%ブドウ糖50mlまたは10%ブドウ糖250mlまたは5%ブドウ糖500mlに速効性インスリン510単位を入れて静脈内に持続投与する。


④レギュラーインスリン510単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖50mlを迅速に投与する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖50ml/時で引き続き投与する。



≪関連記事≫
■甘草による低カリウム血症に注意!!
■低カリウム血症を起こす頻度の高い薬剤
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■高カリウム血症の治療法:スローケー錠の添付文書より
■高カリウム血症とは

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2014年5月22日木曜日

■DPP-4阻害薬の代謝・排泄経路

・シタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)は、主に陣排泄であり、腎機能低下に応じて減量が必要である。

・アログリプチン(ネシーナ)は、主に陣排泄であり、腎機能低下に応じて減量が必要である。

・アナグリプチン(スイニー)は、主に腎排泄であり、重度の腎機能低下患者(透析患者を含む)では、減量が必要である。

・テネリグリプチン(テネリア)は、腎排泄の寄与は約50%である。腎機能低下患者でも減量せず投与可能であるが、重度の腎機能低下患者では、AUCが約1.5倍に上昇することが報告されている。

・サキサグリプチン(オングリザ)は、腎排泄の寄与は約50%であり、約50%はCYP3A4/5により代謝され主要活性代謝物を生成する。主要活性代謝物は主に腎排泄である。腎機能低下に応じて減量が必要である。

・ビルダグリプチン(エクア)は、主に肝での加水分解により代謝される。ただし、重度の腎機能低下患者ではAUC1.4倍に上昇することが認められている。

・リナグリプチン(トラゼンタ)は、主に胆汁排泄であり、尿中未変化態排泄率が1%以下である。腎機能低下患者でも減量せず投与可能と考えられる。




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