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2017年11月1日水曜日

■『DNR』・『DNAR』とは!?

DNR(Do Not Resuscitate)とは、『心肺蘇生を行わないでください』という意味で、(余命が限られているので)『緊急時に心肺蘇生をするな』との意思表示のことです。
DNR指示(蘇生処置拒否指示)ともいわれます。
DNRは『治療拒否』を意味するものではなく、心肺停止後の『無理・無駄な蘇生だけを拒否する』という意味です。
医療機関で前もってこれらの要望を記載する用紙を、『DNRシート』と呼ばれます。
DNRは、尊厳死や安楽死の問題と並び、患者のQOL(Quality Of Life)向上や緩和ケア治療と大きな関係をもちます。

DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)とは、患者本人または家族の希望で、心肺蘇生を行わないことです。
または、その特別な指示のことです。
癌末期や老衰、心肺停止の際に、医師が予め患者と家族からDNARの希望を受けている場合、心肺蘇生を省略することができます。

以前は、DNR(Do Not Resuscitate)という言葉が用いられていたが、『蘇生する可能性があるのに蘇生処置をするな』というイメージが強かったです。
そのため、『蘇生の可能性がもともと低いので蘇生を試みる事をさし控える』という意味のDNARが用いられるようになりました。

基本的には、医師が、患者と家族が希望する終末期の治療方針を基に検討を行い、DNARを決定することができます。
しかし、日本の終末期医療における、法整備やガイドラインは不十分であるため、治療の中止を決定する明確な基準は存在しません。
また、DNARを要請している心肺停止の患者に対して、回復が期待される場合、蘇生処置に引き続き集中治療まで行われることもしばしばあります。



■『CPA』・『CPR』とは!?

・CPA(英語:cardiopulmonary arrestの略)心肺停止状態のこと。
・CPR(英語:Cardio-Pulmonary Resuscitationの略)心肺蘇生法のこと。

心肺停止とは、心臓と呼吸が止まった状態であり、CPAともいう。
心臓の動きが先に止まる場合と肺の動き(呼吸)が先に止まる場合とがあるが、いずれの場合でも放置しておけば必ず両者は合併し「心肺停止状態」となる。
しかし蘇生の可能性が残されているため死亡状態ではない。
脳に血液が行かなくなるため、手遅れになるとたとえ命は助かっても脳死状態になる危険があるので、この状態に陥った患者に対しては、人工呼吸や心臓マッサージなど、迅速な救命措置が必要である。
心肺蘇生法はCPRと呼ぶ。



■『NO CPR』とは!?

NO CPRとは、心肺蘇生を行なわず自然の死を迎えることである。Non CPRともいう。
CPRとは蘇生行為のことで、NO CPRは『心肺蘇生をしないでください』という意味である。
また、『緊急時に心肺蘇生を希望しない』という意思表示でもある。
NO CPRは「治療拒否」を意味するものではなく、心肺停止後の「無理・無駄な蘇生だけを拒否する」という意味である。
NO CPRは尊厳死や安楽死の問題と並び、患者のQOL(Quality Of Life)向上や緩和ケア治療と大きな関係をもつ。
同様の意思表示にはDNR(英語:Do Not Resuscitateの略)がある。



2017年10月31日火曜日

■『アナムネ』・『アナムネーゼ』とは!?

アナムネーゼとは、既往歴のことです。
由来は、ドイツ語のanamneseよりきています。
アナムネとも言います。
入院にあたって、患者の入院歴や病歴を聞くことを『アナムネをとる』や『アナムネーゼ聴取』と言います。



■エピネットとは!?

 EPINet(エピネット)『Exposure Prevention Information Network』は針刺し・切創などの血液・体液曝露を記録し追究する標準的な方法を提供するために1991年米国バージニア大学のJanine Jagger教授(Becton Dickinson Professor of Health Care Worker SafetyDirector of International Health Care Worker Safety Center)によって開発されました。
 1992BD(ベクトン・ディッキンソン社)のサポートによりコンピュータープログラムを含むサーベイランスシステムとして公的に配布され、米国の1500以上の医療機関が導入し、イタリア・カナダ・スペイン・イギリス・ブラジル・オーストラリア・ニュージーランド・台湾、そして日本など、世界的にも活用されています。



2017年10月28日土曜日

■セデーションとは!?

セデーションとは、薬を使って意識を意図的に落とすことで、苦痛を感じなくさせる治療のことである。
ここでいう苦痛とは、身体的苦痛だけでなく、心理的苦痛も含めたものである。
Sedation:鎮静作用

セデーションは以下の2つに分類される。

(1)一時的セデーション(temporary sedation
睡眠を確保させる、手術時の不安や恐怖感を鎮静薬などを用いて落ち着かせる、などの場合に採用される。QOL(Quality Of Life)が低い状態から一時的に退避させ、セデーション後のQOL改善を見込んで行う。

(2)最終的セデーション(permanent sedation
死に至るまで持続的に意識レベルを下げること。死に伴う痛みを避ける措置として採られる。QOLの低下を阻止する手段が他にない場合にとられる最終的な処置である。セデーションはあくまでも苦痛を取り除くために行う医療行為であり、死を目的とした安楽死とは一線を画するものである。ただ、最終的セデーションは安楽死と変わらない、という議論もあり、倫理的に難しい問題である。終末期におけるセデーションの採用は、患者と家族、医療従事者の間で十分な話し合いを持ったうえで、患者と家族のコンセンサスを取っておく必要がある。



2017年10月20日金曜日

■輸液ルートと環境ホルモン

 環境ホルモンとは、正しくは『外因性内分泌攪乱化学物質』というもので、ヒトや野生動物の内分泌の作用を乱し、生殖機能などを阻害する可能性のある環境化学物質のことをいいます。

 輸液用のルートのほとんどは、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly vinyl Chloride)でできています。このポリ塩化ビニルを柔軟にするための可塑剤として、DEHP(ジエチルヘキシルフタレート)と呼ばれる物質がよく用いられていますが、この物質が抗がん剤や免疫抑制剤などの一部の薬剤と反応し、環境ホルモンとして溶け出してしまうことがあります。

 この環境ホルモンが人体に及ぼす影響ははっきりとは解明されておらず、まだ不明な点が多いのが現状です。特に急性や毒性の報告例はほとんどなく、現時点で懸念されている点は長期間体内に入り続けることによる長期毒性です。動物実験では精巣や生殖機能に影響を与える例が報告されており、また直接的には肝機能障害を引き起こすと言われています。
 
 特に輸液ルートから環境ホルモンを溶けださせる薬物として抗がん剤と脂肪乳剤などがあり、これらはDEHPの溶出量が多いと言われています。抗がん剤のパクリタキセルはポリ塩化ビニル製の点滴ルートを溶かすことすらあります。
 こうした薬を使用する場合は、通常DEHPが用いられていない輸液ルートを選択します。


2016年9月10日土曜日

■サチュレーションとは!?

サチュレーションとは、酸素飽和度のことである。
血液中に溶け込んでいる酸素の量であり、%で示される。
健康であれば99%近い値になるが、呼吸器官に異常があると、体内に取り入れる酸素が減ってしまうため、サチュレーションは低下する。
指先などにクリップのように挟むパルスオキシメーターで測定する。
パルスオキシメーターで計った酸素飽和度はSpO2と呼ばれ、採血などによって測定した酸素飽和度SaO2と区別される。



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2016年9月8日木曜日

■『ムンテラ』とは!?

ムンテラ(むんてら)とは、病状説明のことです。
ドイツ語のMund『口』+Therapie『治療』を組み合わせたものです。


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2016年8月26日金曜日

■社会不安障害(SAD)とは!?

 社会不安障害(social Anxiety DisorderSAD)は、人前で不安や恐怖を過大に感じ、次第にその場面を避けようとする疾患です。発症年齢が10歳代半ばと早く、不安障害やうつ病やアルコール依存などの精神疾患が多く併存します。
 長年にわたり日常の社会生活が障害され、進学・就業・昇進・結婚などに大きな影響を及ぼします。
 SADは、自然治癒が困難なため、早期にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などによる治療を行うことが重要です。

【不安・恐怖を感じ回避する状況】
・人前で話す。
・人と接する
・緊張から顔が赤くなる、汗をかく
・人前での食事や会食
・お茶を出す
・名刺交換をする
・人前で字を書く
・他人の視線を感じる
・自分のお腹が鳴る
・電話の応対
・公共のトイレで用を足す

【不安や恐怖に伴い、日常生活に差し障る身体症状を発症】
・顔面の紅潮、蒼白
・息苦しさ、吐き気
・震戦
・パニック発作
・声の震え、口の渇き
・動悸、発汗
・胃腸の不快感、下痢

【原因】
 SADは、セロトニンの異常から、恐怖の認知や不安の表出を司る脳の扁桃体が過剰に興奮し、発症すると言われています。偏桃体の過剰興奮から不安や恐怖を喚起する思考が形成され、実際に社交場面や対人場面に遭遇した際、不安や恐怖を感じ、身体症状が現れます。その時の経験が、さらに思考を増幅し悪循環が生じます。



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2016年8月24日水曜日

■ルンバールの適応と禁忌

【ルンバールの適応】
ルンバールが適応となるのは主に脳疾患や神経疾患です。これらの疾患の発症時には、髄液の値(圧・蛋白・糖など)が変化するために、髄液を採取し検査することで、病気の判別を行います。なお、一般的に適応となるのは以下の疾患です。
・髄膜炎
・くも膜下出血
・クモ膜下腔閉塞
・脳腫瘍
・特発性頭蓋内圧亢進症
・ギランバレー症候群
・多発性硬化症
・神経梅毒
・神経ペーチェット病
また、上記の疾患の判別だけでなく、場合によっては抗癌剤の髄注や脊髄造影のための造影剤注入の際にも行われます。
 
【ルンバールの禁忌】
・頭蓋内圧亢進が著しい場合(脳ヘルニア(大後頭孔ヘルニア)をきたすような頭蓋内圧亢進のみ禁忌)
・著しい出血傾向のある場合
・穿刺部位に感染巣がある場合
・脊髄の動静脈奇形がある場合
中でも気をつけなければいけないのが、頭蓋内圧が亢進している場合です。腫瘍や出血、膿瘍などによって頭蓋骨の中が圧迫された状態を「頭蓋内圧亢進」と言い、髄液を採取することで、脳圧が一気に下がり、大後頭孔を通って脳が外に飛び出す「脳ヘルニア」を発症する可能性があります。
ただし、髄膜炎などで頭蓋内圧が亢進している場合でも、腫瘍や出血、膿瘍などが原因で脳ヘルニアをきたす“可能性がない”場合には禁忌とはなりません。