2019年8月18日日曜日

■ペニシリンGカリウム注の持続投与について

ペニシリンGカリウム注は、半減期が短いため、1日6回の投与が推奨されています。
しかし、1日に6回の投与は、患者さんにとっても医療従事者にとっても負担が多い投与方法です。
そこで、ペニシリンGカリウムの持続投与について調べました。

≪基本投与方法≫
1回400万単位を1日6回投与する。

≪持続投与方法≫
輸液500ml+ペニシリンGカリウム600万単位を6時間かけて投与。
これを1日4回投与。
静脈炎予防のために、最低輸液量は300ml以上が推奨される。


※ペニシリンGカリウム注の持続投与については、推奨されている投与方法ではありません。有益性を考え、投与を検討してください。

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2019年8月13日火曜日

■Glucose-Insulin療法とは!?

GI療法とは、Glucose-Insulin療法のことです。
その名の通りグルコース(ブドウ糖)とインスリンを投与します。

なぜ,この組み合わせで血清カリウム値を低下させることができるのでしょうか!?
それは,インスリンの働きによって細胞内へのK(カリウム)移行を促進させるからです。
インスリンは細胞膜のNa-K-ATPaseを活性化させます。
ブドウ糖が細胞内に取り込まれる際に,K(カリウム)も一緒に細胞内へ移動します。
この作用を利用して血清カリウム値を下げます。

インスリンだけ投与すると,当然,血中ブドウ糖濃度も低下してしまう(低血糖になってしまう)ために,予防的にブドウ糖を投与することとなります。

投与方法は、
・50%Glu50mL+インスリン10単位を静注
・50%Glu40mL+インスリン5単位を5~10分かけて点滴
・10%Glu500mL+インスリン10単位を30~60分で点滴
・50%Glu200mL+インスリン20単位を5~6時間かけて点滴
・5%Glu500mL or 10%Glu250mL+インスリン5~10単位を持続投与

だいたいブドウ糖2.5g~5gにインスリン1単位を基準にして考えてよさそうです。

投与速度や量は血糖値,K値を測定しながら調節します。
注意点としては,第一に低血糖に注意が必要です。
ほぼ全例で血糖が下がるので、血糖値チェックは必須です。

個人的な注意点としては速攻性が低いということも考慮しなければいけません。
高カリウム血症の補正に急を要する患者へは、別の治療法も考慮・検討していくことが必要だと思います。

2019年8月5日月曜日

■ベタニスとタンボコールは禁忌!!

 ベタニス(ミラベグロン)とタンボコール(フレカイニド)は禁忌です。

 ベタニスは、QT延長を起こすおそれがあることから、添付文書にも『不整脈を有する、あるいは不整脈を起こしや い状態の患者に投与する場合には、投与開始前に心電図検査等を行い患者の心血管系の状態に注意すること』との記載があります。加えて、ベタニスはCYP2D6を阻害する作用を持つため、同代謝酵素で代謝されるタンボコール(フレカイニド酢酸塩)の血中濃度が上昇するおそれがあるため併用禁忌となっています。
 

2019年8月4日日曜日

■高カリウム血症の病態は!?原因は!?

 高カリウム血症の病態は、一般的に神経筋症状(痙攣・反射消失)や筋力低下、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢等)を引き起こすとされます。重症例では、心室細動または心停止を引き起こす心毒性が生じる恐れがあります。

 高カリウム血症の原因は、カリウム摂取量の増加・排泄の低下により起こります。特にカリウムの排泄低下が問題となります。ARBやカリウム保持性利尿薬やNSAIDsなどの薬剤、病態による急性の腎障害、慢性の腎障害、手術等の細胞障害と様々な原因があげられます。




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2019年7月29日月曜日

■肝臓の位置と働き

肝臓は、人体の右上腹部、横隔膜の下にある人体最大の臓器(重さ1.2kg)です。
肝臓には、酸素が運ばれる肝動脈と呼ばれる門脈、そして栄養素やたんぱく質を全身へ送る肝静脈と呼ばれる血管が通っています。
肝臓は、これらの血管を通って入ってくる酸素や栄養素を使って、栄養素の代謝・貯蔵、たんぱく質の生成、有害物質(アンモニアなど)の解毒などの役割を果たしています。
このように、肝臓は生命維持にとても重要な臓器なのです。

<肝臓の働き>
①栄養素の代謝・貯蔵
②たんぱく質の生成
③有毒物質の解毒・排泄 




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