2016年10月4日火曜日

■インフルエンザワクチンについて

■インフルエンザワクチンの有効性
インフルエンザワクチンは、毎年流行を予想してワクチンを作っているため、その予想が外れた年は効果が低いが、健康な成人ではおよそ60%程度の発症を防ぐ効果があると考えられています。
≪インフルエンザワクチン有効率60%とは!?≫
インフルエンザワクチン未接種群100人のうち10人がインフルエンザに罹った。
インフルエンザワクチン接種群100人のうち4人がインフルエンザに罹った。
10人から6人減らした⇒有効率60%という考え方です。


■インフルエンザワクチンの効果発現と有効期間は!?
インフルエンザワクチンの効果の発現と持続期間には、個人差があります。
一般的には、インフルエンザワクチン接種後2週間目頃から5ヵ月間程度効果が持続するとされています。


■インフルエンザワクチンの予防接種を受ける時期は!?
インフルエンザワクチンの予防接種をしてから抗体ができ予防効果が発現するためには、およそ2週間ぐらいかかると言われています。
その年や地域によって違いますが、一般的には日本では12月頃からインフルエンザワクチンの流行が始まることが予想されますので、12月頃までには接種を終えておくことが望まれます。
11月2、3週目ぐらいが望ましいかもしれません。


■インフルエンザワクチンは、1回接種or2回接種!?
インフルエンザワクチンは、接種を受ける時の年齢や基礎疾患の有無などで推奨される回数が異なります。

▽生後6か月(1歳以上とされている場合もある)以上13歳未満⇒2回接種
接種間隔はおよそ2~4週間とされていますが、できるだけ4週間程度間隔をあけて接種した方が免疫の獲得はいいと言われています。
※1回目接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合は、2回目の接種も12歳とみなして実施します。

▽13歳以上⇒1回または2回接種
接種間隔はおよそ1~4週間とされていますが、できるだけ4週間程度の間隔をあけて接種した方が免疫の獲得はいいと言われています。
13歳以上であっても、基礎疾患などがあり著しく免疫が低下していると考えられる場合は、医師の判断で2回接種とすることもあります。



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2016年10月3日月曜日

■ピロリ菌とは!?

■ピロリ菌って一体どんな菌なの!?
・正式名は、『ヘリコバクター・ピロリ』と言います。
・ピロリ菌は、胃の中に好んで住みつき、胃の壁を傷つける細菌で、1982年オーストラリアで発見されました。
・胃の中は強い酸性、細菌は住むことができないと思われていましたが、ピロリ菌は自ら住みやすい環境を作り出して生息しています。

■どの位の人がピロリ菌をもっているの!?...
・ピロリ菌の感染率は衛生環境と相関すると指摘され、50代以上の日本人の70~80%がピロリ菌

に感染しているといわれています。
・経口感染が主な経路と考えられています。上下水道が整備されていないような地域や国では感染率が高く、先進国の中では日本は際立って高い感染率です(50歳以上)。しかし、衛生環境が改善された今日、若い世代の感染率は急速に低下しています。

■ピロリ菌は、胃・十二指腸で、 どんなワルさをするの!?
・胃の壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。
・ピロリ菌が胃壁に取り付くと細胞を弱めてしまう毒素を出し始めます。すると菌をやっつけようと血液中の白血球が付近に集まります。両者の戦いが大きくなると、胃粘膜の消耗を早め、粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。


ピロリ菌に感染すると、どうして胃潰瘍や胃がんになるの!?
・感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染した人はほとんどの人に胃炎が起こります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中に住み続け、慢性的に炎症が続きます(慢性胃炎)。
・慢性胃炎では、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となります。つまり、ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍、胃がんを起こしやすい下地をつくってしまうわけです。
 
■ピロリ菌がなくなれば、胃炎や消化性潰瘍にならないの!?
・除菌によって今まで潰瘍が治りにくかった人が治ったという報告があり、潰瘍の再発予防に有効です。
消化性潰瘍がやっかいなのは、いったん治っても何度も再発を繰り返すことです。
・胃潰瘍患者の65~80%程度、十二指腸潰瘍患者の90%程度に胃の中にピロリ菌がいることがわかっています。
・ピロリ菌の除菌によって、再発を繰りかえす潰瘍が治ったという例が多くあります。
■1年間に胃・十二指腸潰瘍を再発する人の割合
▽なにも治療をしない場合⇒72%
▽再発を予防するために潰瘍が治った後も、薬をやめずにある期間飲み続ける治療をした場合⇒25%
▽ピロリ菌除菌に成功した場合⇒2%

■ピロリ菌は胃がんにも関係あるの!?
・最近、ピロリ菌と胃がんの関係について解明されつつあります。
・ピロリ菌が陽性であると、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌、陽性例および陰性例に対して10年間の追跡調査を行った結果、ピロリ菌陽性例では2.9%(1246例中36例)に胃がんが発見され、陰性例では胃がんが認められなかったという研究発表もされています。

■ピロリ菌の除菌治療はどうやって行うのですか!?
・2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を1週間飲むだけです(一次除菌療法)。これだけで約80%の方は除菌に成功する、つまり胃の中からピロリ菌は完全に消えていなくなります。
・残り20%の除菌不成功の方には、抗生物質の1種類を変更して、同様に3種類のお薬を1週間飲む二次除菌療法があります。これにより、一次除菌に失敗した方の約90%の方が除菌に成功します。
・10%程度の人に下痢や味覚異常などの副作用が起こることがありますが、それよりも除菌治療によって、再発を繰り返していた潰瘍が治る(ピロリ菌が除菌できる)ということの方が有用性は高いと思われます。



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2016年10月2日日曜日

■塩酸バンコマイシン散の内服の副作用は起こらない!?

塩酸バンコマイシン散の内服は、ほとんど吸収されないという特徴があります。
腸などの消化管内の静菌・殺菌に有効で、吸収されないからこそ腸内の菌に効果があるようです。
腸管から吸収されないので、副作用は起こりにくいようです。
適応は、骨髄移植時の消化管内殺菌、クロストリジウム・ディフィシルによる偽膜性大腸炎、MRSAによる腸炎です。
血中へ吸収されないので、創部などから出たMRSAなどには効果はありません。


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■メチロン注の効果発現時間と使用間隔について

メチロン注はスルピリン系鎮痛解熱剤です。
1回0.25g症状により最大0.5gを皮下又は筋肉内に注射します。
症状の改善が認められない時には1日2回を限度とすることと添付文章には記載されています。
最高血中濃度に達する時間は1hrで、半減期は腎機能が正常な方で2.43.8hrです。



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2016年10月1日土曜日

■ニュープロパッチ開封後の安定性について

ニュープロパッチは基本的に使用直前に開封することになっているが、誤って開封してしまった場合の保存方法や安定性は?
大塚製薬資料にて、遮光、室温30℃、湿度75%の条件下で、3ヶ月保存の試験を行っており、成分に変化が無いことが確認されている。
誤って開封した場合は、元の袋が残っていれば袋に戻して(無ければ遮光して保存するなど)、そのまま室温で保管可能である。



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