2015年10月3日土曜日

■サリドマイド事件とは!?


サリドマイドは、1950年代に西ドイツで開発された睡眠薬で、日本では胃薬としても販売され、妊婦のつわりにもよく用いられていました。

しかし、催奇形性があることが明らかになり、妊娠初期の妊婦の服用により四肢の全部あるいは一部が短いなどの独特の奇形をもつ新生児が世界中で多数生まれました。

日本でも1959年から10年間に四肢や目や耳などに先天的な障害を受けた子が309人生まれました。

しかし、現在サリドマイドは多発性骨髄腫などの治療薬としての再評価が進み、アメリカでは2006年FDAにより認可されています。




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■ムコスタ(レバミピド)が、口内炎の発生予防に効果がある!?

癌化学療法では、口腔粘膜にフリーラジカルが発生し口内炎が発生し、発生頻度も高い。

適応外ではあるが、ムコスタ錠(レバミピド)にその口内炎の発生予防の効果がある。

胃炎・胃潰瘍治療薬であるムコスタ(レバミピド)の作用メカニズムにヒドロラジカル消去作用とスーパーオキサイド産生抑制作用があるためである。

ムコスタ(レバミピド)含嗽液を1300ml(レバミピド300mg相当)16回の含嗽を実施したところ、癌化学療法における口内炎の発生を予防したことに加え、放射線治療による口腔内の乾燥感も防止したとの報告もされている。




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2015年10月2日金曜日

■パナルジン(チクロピジン)からプラビックス(クロピドグレル)に切り替えする場合、どのようにすればよいか!?

パナルジン200mgとプラビックス75mgが同じ効果を示します。
プラビックスは、定常状態に達するまで5日かかりますが、パナルジンと薬理作用はほぼ同じなので、パナルジンを止めた翌日からプラビックスに変更するのでよいと思います。




2015年10月1日木曜日

■輸液ルートと環境ホルモン


輸液用のルートのほとんどは、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly vinyl Chloride)でできています。

このポリ塩化ビニルを柔軟にするための可塑剤として、DEHP(ジエチルヘキシルフタレート)と呼ばれる物質がよく用いられていますが、この物質が抗がん剤や免疫抑制剤などの一部の薬剤と反応し、環境ホルモンとして溶け出してしまうことがあります。

この環境ホルモンが人体に及ぼす影響ははっきりとは解明されておらず、まだ不明な点が多いのが現状です。

特に急性や毒性の報告例はほとんどなく、現時点で懸念されている点は長期間体内に入り続けることによる長期毒性です。

動物実験では精巣や生殖機能に影響を与える例が報告されており、また直接的には肝機能障害を引き起こすと言われています。

特に輸液ルートから環境ホルモンを溶けださせる薬物として抗がん剤と脂肪乳剤などがあり、これらはDEHPの溶出量が多いと言われています。

抗がん剤のパクリタキセルはポリ塩化ビニル製の点滴ルートを溶かすことすらあります。

こうした薬を使用する場合は、通常DEHPが用いられていない輸液ルートを選択します。




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■環境ホルモンとは!?

2015年9月30日水曜日

■環境ホルモンとは!?

環境ホルモンとは、正しくは『外因性内分泌攪乱化学物質』というもので、ヒトや野生動物の内分泌の作用を乱し、生殖機能などを阻害する可能性のある環境化学物質のことをいいます。