2014年4月13日日曜日

■アスピリン腸溶錠を粉砕して投与する意味は!?

急性期、早くアスピリンを効かせたい時、
バイアスピリン錠100mg(腸溶錠)を粉砕して投与することがあります。

≪アスピリン≫
▼不可逆的シクロオキシゲナーゼ阻害作用
▼作用発現時間➡素錠では10分・腸溶錠では4時間
※作用発現まで4時間かかる腸溶錠を粉砕したら⇒作用発現時間が素錠の10分に近づきます。

◆作用発現までの時間を急ぐ時は、アスピリン腸溶錠を粉砕し投与するってことですね。


2014年4月12日土曜日

■主な抗血小板薬と作用時間・持続時間および術前休薬期間の目安

≪アスピリン≫
▼不可逆的シクロオキシゲナーゼ阻害
▼作用発現時間➡10分・腸溶錠では4時間
▼作用持続時間➡血小板の寿命(7〜10日)
▼術前休薬期間の目安➡約7日前

≪チクロピジン≫
▼不可逆的血小板ADPレセプター阻害
▼作用発現時間➡3日
▼作用持続時間➡血小板の寿命(8〜10日)
▼術前休薬期間の目安➡10〜14日前

≪クロピドグレル≫
▼不可逆的血小板ADPレセプター阻害
▼作用発現時間➡5日
▼作用持続時間➡血小板の寿命(8〜10日)
▼術前休薬期間の目安➡14日以上前

≪シロスタゾール≫
▼可逆的PDE阻害(血小板他)
▼作用発現時間➡3時間
▼作用持続時間➡半減期:α相2.2時間、β相18.0時間⇒48時間で消失
▼術前休薬期間の目安➡3日前

【参考:各製品インタビューフォーム、添付文書】


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2014年4月10日木曜日

■簡易懸濁法できない薬剤

■簡易懸濁法できない薬剤 
フェロミア錠・プラビックス錠・ワソラン錠など
⇒(薬を口から飲み込むことが出来ない患者様に)薬を溶かして経管から投与する簡易懸濁法を行う時、55度の温湯では溶けない。
 ⇒粉砕してから投与
  ⇒簡易懸濁法○
※温湯に溶けないだけで、簡易懸濁法投与はできる。


■腸溶錠
≪ラベプラゾール錠・オメプラゾール錠≫
⇒簡易懸濁法時、55度の温湯では溶けない。
 ⇒粉砕してから投与
  ⇒簡易懸濁法×

▼ラベプラゾール・オメプラゾールは、腸溶性にフィルムコーティングされた薬剤であり、粉砕により腸溶性のコーティングが壊れ、胃酸で分解されるため投与しても効果が見られない。 
▼粉砕物をチューブなどで腸に通す場合は、粉砕可。 

ラベプラゾール錠・オメプラゾール錠の簡易懸濁法
➡ランソプラゾール錠へ
※ランソプラゾールは、腸溶性細粒を含む口腔内崩壊錠であり、簡易懸濁法投与でもコーティングが維持されるため簡易懸濁法○ 

■除放性薬剤であるニフェジピンLもしくはCRを粉砕した場合は!?
ニフェジピンL・CRは、徐放性製剤であり、粉砕する事により、徐放性機序が崩壊し、粉砕による粒子の大きさによって薬の持続時間にバラつきが出るため、粉砕不適である。


■デパケンR錠の簡易懸濁法は!?
デパケンR(200)4T2×
⇒簡易懸濁法の指示
 ⇒粉砕して投与すると徐放性機能が失われてしまう。
  ⇒デパケン細粒に変更。 

デパケンR(200)4T2×
=デパケン細粒800mg3×



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■ベルソムラは、一包化・粉砕・簡易懸濁法が可能!?
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■カリメート経口液の経管投与について

2014年4月9日水曜日

■剤型により用法が変わる薬剤:ニフェジピンカプセル・リスモダン・ムコソルバン

■剤型により、用法が変わる薬剤:ニフェジピン
ニフェジピンカプセル・・・!?
ニフェジピンL・・・!?
ニフェジピンCR・・・!?
用法はどうしたらいいの!?

・ニフェジピンカプセル➡1日3回タイプ
・ニフェジピンL錠➡1日2回タイプ
・ニフェジピンCR錠➡ 1日1回タイプ


ニフェジピンカプセル(5)6C3×➡5mg×6個÷1日3回タイプ=1回量は10mg
≒ニフェジピンL(10)2T2×➡Lは、1日2回タイプ
≒ニフェジピンCR(10)1T1×➡⇒CRは、1日1回タイプ 

■剤型により、用法が変わる薬剤:リスモダン
・リスモダンカプセル100mg⇒1日3回タイプ
▼リスモダンカプセル(100)3C3×
・リスモダンR錠150mg⇒1日2回タイプ 
▼リスモダンR(150)2T2×


■剤型により、用法が変わる薬剤:ムコソルバン
・ムコソルバン錠15mg⇒1日3回タイプ
・ムコソルバンLカプセル45mg⇒1日1回タイプ
ムコソルバン(15)3T3×
≒ムコソルバンL(45)1C1×A

 ※ムコソルバンLカプセル(45)は、夕食後服用が推奨されている。


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2014年4月8日火曜日

■勃起不全改善薬『シアリス錠』の排尿障害への適応外使用が、『ザルティア錠』で保険適応可能になります。

ザルティア錠2.5mg・5mg

≪一般名≫
タダラフィル➡シアリス錠と同じ成分

≪効能・効果≫
前立腺肥大症に伴う排尿障害

≪用法・用量≫
通常成人には、1日1回タダラフィルとして5mgを経口投与する。

≪特徴≫
・前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤としては初めてとなるPDE5阻害作用を有する。
・1日1回の投与で、国際前立腺症状スコア(IPSS)トータルスコア、IPSS排尿症状スコア、IPSS蓄尿症状スコア及びIPSS QOLスコアをプラセボに比べて有意に改善しました。
・1年に渡る投与によって、排尿障害の症状改善効果を維持した。

≪作用機序≫
ザルティアは、血管や下部尿路組織に分布するPDE5を阻害することによりNOによって産生されるcGMP濃度を上昇させ、平滑筋細胞を弛緩します。

≪警告≫
・ザルティアと硝酸剤又は、一酸化窒素(NO)供与罪(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソビド等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与罪が投与されないよう十分注意すること
・死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無を十分確認すること。

≪併用禁忌≫
硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなど)
➡併用により、降圧作用を増強するとの報告がある。
※NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することによりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。

▼勃起不全改善薬『シアリス錠5mg・10mg・20mg』の排尿障害への適応外使用が、『ザルティア錠2.5mg・5mg』で保険が適応可能になります。

▼ザルティアの前立腺肥大症に伴う排尿障害は保険が通りますが、レビトラの勃起不全改善薬としては保険適応外になります➡シアリスに比べザルティアは安く手に入る。
ザルティアを大量に処方され、処方された薬が転売されているっていう事態にだけはならないでほしいと思います・・・。



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